鯉冥士の物語 #016「水鏡に映る月」(JT 22:28/25/11/2022 三蔵)

六歳の時、鯉冥の心はいつも月を見ていた。月を描いて、それを通して周囲を見ていたのだ。其処に居る母は幼く、妹のようだった。「月と此処(ここ)は時間が違うの」と父にも聞いたことがある。「見ている月は同じだよ。でも」と、父の答えはそこで詰まってしまった。

JT 22:28/25/11/2022 三蔵

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