鯉冥士の物語 #88

渡来し、引かれるように東北に向かった鯉冥だが、富士の甍で足止めを受ける。悪い予感ではなく、青龍を察したからだ。彼女の云う青龍とは「時空の交砂位」を意味する。交砂とは異界との接触である。我々が平行宇宙と呼ぶ概念に似ている。夜毬が住んでいた夢世界が、此処の現と共鳴を始めたのだ。故に、この先は行かなくても、近未来の結果は同じになる。鯉冥記には「龍尾は鈴音を発し、追風(たいふ)と鳴って面を磨く。操龍の師は訪れて、私を青龍に乗せる」と書かれている。

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