鯉冥士の物語 #99

葛野王と鯉冥士の「出逢い伝承」は二つある。複様伝承は有りがちなことだが、鯉冥士の是には理由がある。勘の良い読者ならピンときたと思うが、一つは夢から引用された伝え。もう一つは現で観察された記録。既に述べている通り、鯉冥が現実世界で書いた日記を「夢記」と呼んでいる。それは現実での体験が夢の人生と殆ど一致しているからだが、鯉冥にとっての本物世界は「夢の中で過ごした人生」であることも再認識していただきたい。そして此処では「決め手」となる分類法を示しておく。一つは鯉冥自身が書いた日記。もう一つは第三者による鯉冥の観察記録だ。分かり易くする為に、前者を「夢記(むき)」後者を「現記(うつき)」と表現する。夢記によれば、葛野王と鯉冥士の出逢いは夏。現記によれば冬である。何れも葛野王が観た鯉冥は優しい老婆だった。

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