黄色い髪の女性は「名乗らなかった」養筒をするから官職かと思っていたが、そうでもない。ある日「師の教えは私を変えました。それなのに存在が感じられません。師は何処から来られたのですか」と鯉冥は聞いた。すると「居ますよ。あなたの自時杭の左遷部分に」との言葉。 JT 07:37/20/03/2023 三蔵 解説(鯉冥師の物語 #46)時杭とは「歴史を形成する上での基準位」なので、自時杭は誕生日だと思えば良い。誕生日の不明者は「自分が生まれたであろう年に起こった出来事」を自時杭にすることが出来る。一般に「誕生日は他人の言葉を信用するしかないから」意外に「あやふや」なものだと、捉えられる。 JT 09:36/20/03/2023 三蔵
21歳の夏、黄色い髪の女性に遭った。先祖が暦の大家だと自称していたが、確かに多くを知っている。鯉冥の質問にも分かりやすく答えてくれた。高積(たかつみ)に住んで養筒に勤しんでいるらしいが、一刻ほど話しているうち気付いた。夜毬の夢に出て来なかった人だったのだ。 JT 17:06/12/03/2023 解説(鯉冥師の物語 #45)高積は「山の中腹」と云う意味であるが、ここでは長江の上流を指していると思われる。「黄色い波」とは黄仙女(諸葛孔明の妻)の学説。神相学派では「仙昇戯水譚外伝」として伝えているが、正史には全く登場しない。「黄い髪の女性」は鯉冥士が遁甲を深く学んだ師とされている。 JT 19:19/12/03/2023 三蔵 解説(養筒)ここでの筒(とう)は天文観測の道具。望遠鏡のようなレンズは無くても、筒を覗けば視野を特定できる。そして狙いを着けた星を観測する。養(よう)は作って行くことなので、建設すること。よって、黄色い髪の女性は「ある高積に天文観測所を建設していた」その期間に鯉冥士を訪れたのである。 JT 22:58/12/03/2023 三蔵
刧初も星を知っている。散りばめられた無数の点を観ていた。転児から求婚された時も、星を眺めながらだった。転児は天文学者だから、常に星の話をする。「星は無数に在るね。幾つあるか分からないからこそ、魅せられるんだ」ある日、刧初は星を数え始めた。六十しかない。 JT 13:24/21/02/2023 三蔵 ※先日投稿した通し番号も今回も「#042」ですが、エックス(当時はTwitter)投稿時の原文そのままで通し番号の修正は行っていません。
鯉冥が十八歳の誕生日、本格的な天文会議を行った。先ずは「星の数について」刧初(母)が数えた星は六十、鯉冥は百二十観える。転児(父)にとっては数えきれない数が在る。刧初(ごうしょ)は何度も数え直した。鯉冥は最初から知っていた。転児(てんこ)は今も観察中である。 JT 12:53/18/02/2023 三蔵
人生は「夢と現」どちらが本当なのだろう。それは鯉冥の課題だったが、夜毬は既に結論を出していた。長い時間を生きる方の自分が、本当の自分だ。つまり「夢の自分」が在って「現の自分」が現れる。そして天円の息を図ることで、現を実なると想えるのである。 JT 09:49/11/02/2023 三蔵 解説(鯉冥士の物語 #038)人間として生きているのは短い。ところが魂が生きている時間は長い。魂として生きている自分が時折、短命の人間として現れる。だから「本当の自分は魂」の方である。しかし天文現象を受け止めると、人間として生きる現実の意義を実感できる。 それが夜毬の出していた結論だ。 JT 10:52/11/02/2023 三蔵
現(うつつ)を抜(ぬ)かす。夜毬の夢では其れを抜かす。操車が言うには「魂の世界は幻が希薄です。精神の営みは、殆どが理に叶います。相性は性様によって鳴るのだから。同類は速やかに集いて、異類は常に対衝を保つのです」魂は事実を尊び、幻には犯されない。 JT 09:56/07/02/2023 三蔵 解説(鯉冥士の物語 #035~#037)我々の生存する宇宙を「現(うつつ)」、夜毬の夢は魂の世界なので「夢→神界」として語られている。神界では一年三百六十日と設定されているが、現では三百六十日として現せない。その隙間を「幻」と表現して、天文学者は数技(数学)を使って「現の幻」を克服してきた。 JT 14:51/07/02/2023 三蔵
三七歳の時、その秋、満月の日に加令視さんの葬儀があった。父は体調が悪く来れなかったので、母と二人だった。夜毬としては無かった経験の一つだ。出席者は百人以上(この村としては)珍しく大勢の参列だ。多くの人と語り、そして帰宅したら、玄関に猫が居た。 JT 21:53/20/01/2023 三蔵 解説(夜毬の夢記)夜毬は赤ちゃんの時、自分の一生を夢で見ました。そして大人になって現実を経験すると、夢の内容を繰り返しています。だから「普通に付ける日記」が「夢の日記」になります。ところが「夢の内容」と「現実の体験」の一部に食い違いが出てきます。その描写が「夜毬の夢記」なのです。 JT 22:31/21/01/2023 三蔵
光の速さを語る人は加令視(かれし)さん。冥士よりも十歳年上である。ある日、音と競争してみることになった。夢の中では音に勝ったはずなのに、ここでは敗けてしまった。それ以外の現実は夢と同じなのだ。そう云えば夜毬の髪括りは五歳の春まで「杣先」だった。 JT 10:03/18/01/2023 三蔵 解説「杣先(そまさき)」髪括りの一法。ポニーテールのように一つに束ねた髪の端部を二豊にして括る。三ヶ所の括りを三峰に見立てて「山」を表現する。伝説と云うことになっているが、仙人の飛行に関する話。山並みが影響して直線に飛ぶことが難しい場合には髪を杣先に括れば直線に飛行出来るとされる。 JT 12:30/18/01/2023 三蔵